瞼がまた重くなってきた。でもこれ以上寝たくはないなぁ。
折角紘と居るのに…。
制服もシワ出来ちゃう。
夜更かししたから、こんなに眠たいのかな。
……紘の腕。大きい。
私の頭の下に紘の腕が入ってる。
ずっと腕枕してくれたのかも。
疲れるよね、退けないと。
なんて考えが一瞬過る…が、それよりも眠気が勝利した。
「紘、」
「ん?」
ありがとう…って言いたいけど。
眠気のせいで唇すら重たい。
「紬?」
チュッ、
腕枕してくれていたその腕に唇が触れた。
紘は一瞬ビクッと身体を揺らした。それに気付きもせず、私はボーッと視線が一点集中。
今、カクッてなって、唇が紘の腕に触れちゃった。
うー…、ちょっと恥ずかしい。
「紬、」
背中。私と紘の間にあった隙間が無くなるほど密着した。
首に感じる紘の息遣い。
「ふ、ふふ…」
くすぐったくて思わず笑ってしまった。
うなじにゾワゾワした感覚。


