嫌だと駄々をこねていた翔と、最後の最後まで私から離れようとしなかった凪は、放課後半ば無理矢理にマネージャーさん達に連れて行かれることになった。
「「すみません!すみません!すみません!」」
怒る凪と騒ぐ翔を青ざめた顔で平謝りのマネージャーさんが連行。車に乗るギリギリまで私と紘について行く気満々だったらしい。
そんなにカフェに行きたかったのかな?
でも、その気持ちが分かる気がする…。
「わああ…!美味しそう!」
目を輝かせそう言ったのは、頼んだデザートが見た目が最高に可愛くて美味しそうに見えたから。
生クリームたっぷり。ベリーたっぷり。
苺のショートケーキグラス。
カップの中に入ってるなんて、プリンみたい…!
「本当に紘は頼まなくて良かったの?」
正面には珈琲を飲む紘の姿。
私はジュースとケーキを頼んで、紘は珈琲だけ。何度も確認したけど、紘は要らないって言ってた。
「ああ、後でな」
「あとで?」
その意味が分かったのは、私がケーキを食べて二口目の時だった。


