顔を赤らめた傑に気が付かないまま、


あ、あれ。
開かない…や。


受け取ったペットボトルの蓋を開けるのに苦戦中。


結構力入れてるつもりなんだけど…なっ。
全然回らない…!


フフッと声がして。
手からペットボトルが無くなる。


プシュ、



「本人が目の前にいんのに、これで満足なのか?」



眼鏡が無くなって、現れるのはラベルの張本人。


「あっ、え、っと…」


しどろもどろになってしまう。
だって凄くかっこいいから。


傑はまた笑って、ストロー入れてから差し出した。


「ありが、」

「やっぱ無し」


触れる前に傑の頭上へ。



えっ。



「なんで…?」



唇の前に人差し指を置いて微笑む。


「俺が飲ませるから」


飲ませる…?
…もしかしてまだ体調悪いと思われてるのかな。


「もう大丈夫だよ?」

「ああ…でも俺が紬に飲ませたい」


飲ませたいって…子供じゃないのに。


「口、開けろ」

「だいじょ…っ!」


話す為に開けた口に突っ込まれたストローの先。


「飲んで」

「んっ…」


喉も渇いているし…もうこの際飲んでしまおう。

チューっと音を立てて飲んでいく。

あ…これ美味しい。
無糖だからお茶感覚でごくごく飲める。


「ぷは……」


十分に潤った所で口を開けた。
傑が唇を緩め、袋を広げる。


「何食べたい?」

「お腹空いてな…、」

「何食べるか言って」


拒否権は無いみたい。