日帰りにしては広すぎる病室で一人、本を読んでいた。
二本目の点滴に入って残り半分程度。身体も心も落ち着いて来て、ゆっくりと本が読めるほどまで回復してきた。
…そう言えばさっき、傑から”あと少しで終わる”って来てたっけ。
その頃までには点滴全部終わっていたらいいんだけど。
ガラッ!!
ノックも無しに突然病室のドアが開いた。
突然の事で吃驚してそっちに顔を向ける。
「……う、卯西さん?」
スグルのマネージャーさんだった。
眉間に皺を寄せ、唇を尖らせている。
…ど、どうしたんだろう?
忘れ物…はないよね。だってさっき移動したんだし。だったら…あっ、もしかして傑の事で?
ヒールの音を鳴らし近付く卯西さんは仏頂面のまま私の前に止まる。
あ…そうだ。さっきちゃんとお礼出来て無かった。
「あの、ありが…」
「いい加減にしてくれない?」
…え?
「そ、れはどういう意味ですか?」
そう私が言うと、卯西さんは大きく溜息を吐いた。
「そんな事もわからないの?」なんて呟きながら。
「これ以上、スグルに迷惑を掛けないでくれるかしら?」


