「体調はどう?呼吸しずらくないか?」
「ん…だいじょぶ」
息もしやすいし、気持ちも楽だ。具合悪いとかも無い。
そう思って言ったのに、傑は深く溜息を吐いた。
そして顔を近付けた。
おでこをくっつけて熱を測る仕草をする。
「紬の大丈夫はあまり信用出来ないからな」
「す、ぐる…!ほんとだってば…!」
嘘じゃないのに…!
不可抗力で顔が赤く染まった。
「…熱、上がったか?」
ニヤリと笑う傑に更に赤らめた。
分かってる癖にそうやって聞いてくるなんて卑怯だよ…。
そうやって笑う時は分かってる時だってもう知ってる。
分かってて意地悪するのは傑だもの。
「ゴホンッ!!」
大きな咳払いに吃驚した。
卯西さんだった。
「……まだいたのか」
小さく舌打ちをした傑が溜息交じりにそう言った。
「誰がここまで運転してやったと思ってるの?通勤ラッシュでタクシーが捕まらないからって私が来てあげたのよ?感謝ぐらい言ったらどうなのかしら?」
そう、だったの?
身体を起こそうとする私を制止する傑。
「点滴が終わるまでは安静にしておけ」
「少しだけ起きても大丈夫…」
「医者からの指示だ」
それは……、
「あ、あの…すみません…ありがとうございます、」
寝たままの状態で出来る範囲で頭を下げた。
下げたというより頷いたに近いけど。


