16歳と一日目。
その日の朝、私は持っていたフォークを落とした。



「………本当なの…?」



両親の様子に私は唖然とした。
冗談じゃない事ぐらいわかる。



…うそ。だって。そんな事無いって言ってたのに。



朝方、両親の掛け合いで早くに目が覚めた。


一度も私の前で喧嘩した事が無かったパパとママ。たまに喧嘩するらしいけどそんな素振りを一度だって見た事無かった。

そんな二人が、私を目覚めさせるぐらいの言い合いをしていた。



起きてきた私に驚き深刻そうな表情のまま早めの朝食をとる。いつも通りのパパ特製の美味しい朝ごはんだった。


──────少しだけ違う、残りはいつも通りになるはずだった。




「………ロンドン、なんて…」




パパとママが日本を発つ事が決まった、そう言われるまではの話。





そしてこの出来事は、





歯車が狂い始めるきっかけのひとつで、この時からきっと何かが狂ってたんだ──────、