「紬ちゃん、」

「か…ける、!」


ぶどうジュースの入ったワイングラスを片手に大人気分を満喫してた時、後ろから翔に抱き着かれた。

思わずビクッとしてしまう。


「そのドレス似合ってるね。かわいい~!」

「あ…うん!ありがとう」


この日の為に、とママとパパが奮発して買ってくれた物。

ちょっと濃いめの桃色ドレス。レースが特徴的で大人っぽくて可愛くてお気に入り。ほぼ一目惚れで買ったものだった。


「紬ちゃん、僕のプレゼント開けてみて?」

「え?…ここで開けていいの?」

「うん!寧ろ開けて欲しいなっ!」


本当は開けたかったけど我慢していた。
だからそう言ってもらえてうれしい。

言われた通り、翔のプレゼント包装を丁寧に取る。



「…わ、あ…!」



吃驚した。



「どお?僕のプレゼント、」

「ど、どうって…」



思わず翔の方を見るとニコニコ笑顔。
冗談じゃなく、本当に私に対してのプレゼントらしい。


「紬ちゃんに似合うと思って買っちゃった」



ブランド名の掘られたリボン型バレッタとキラキラ光る花柄のヘアピンだった。

…ど、どっちもあの、有名なブランド…だよね?