5月5日。こどもの日。
ゴールデンウイーク。

無事にこの日を迎えられた。一歳年を取る、その瞬間が私にとって一番嬉しい事なんだ。




パン!パン!



クラッカーが盛大に鳴り響く。
色とりどりのリボンが床に散乱する。



「「「「お誕生日おめでとう!紬」」」」


「っ、ありがとう…!」



泣き顔のパパとママに釣られて涙が出た。
パパのレストランを貸し切って、私は今日16歳の誕生日を迎える。


「紬、16歳誕生日おめでとう。良い一年になりますように」

「わぁ…こんなに沢山、ありがとう!」


今日、この場に全員が集まった。
変装も無しのドレスアップをした五人。

全員眩しいぐらいのイケメンでこっちが照れてしまう。


一人一人手渡されたのは、誕生日おめでとうと書かれたプレゼント。



「みんな!大きくなったわねぇ!見た目も大分大人ね!」

「叔母さん…お酒臭い…」

「あら!なに!翔くんってば!叔母さんに文句あるのかしらぁ!?ちょっと~!凪くんも紘くんも何処行くのよぉ!」



ママはワイン片手にみんなに食って掛かってる。多分、もう酔ってるかも。そんなママを見たパパが謝りながら連れて行く。


…ママってば、張り切っちゃって。
こんなに酔った姿を見るのは久しぶり。

きっと我慢してたんだよね。この日の為にって。


後でママとパパに改めてお礼を言うんだ。
だって、私の事で沢山悩んだと思うから。

これからも宜しくお願いします、って言うんだ。