「佐藤ー!」 「佐藤さーん!」 探し始めてどれくらい経っただろうか。 名前を呼びながら探しても一向に、佐藤らしき人影が見つからない。 もしかして、ほんとうに幽霊が……? なんて、思い始めていた時だった。 「きゃあぁぁぁああああああああああ」 屋敷中に響き渡るほど、けたたましい叫び声が聞こえてきた。 声の主は大利だ。 俺と花見さんは顔を見合わせると、すぐに声がした2階へ向かった。