それからはたまに朝早くの教室で、柳と雑談程度の会話を交わすようになった。 他にも図書室で偶然鉢合わせになった時もあり、柳が読書家だということもわかった。 俺は日本民族や文化、たまにホラー小説を好んで読んでいたが、カノジョはミステリー小節が好きなようで。 何回かおすすめの本を教えてもらったりして読んだりした。俺が勧めた本は、「グロすぎ」と辛辣な感想を貰ったりして。 そう考えれば、俺たちは割と仲が良かったのかもしれない。 今更、柳がいなくなって、初めて気づいた事実。