目を大きく見開いて、喉にナイフが刺さったまま息絶えている柳夕貴。 瞳孔は開ききっているはずなのに、私にはいつも見ていたビー玉のように澄み切った瞳に思えて。 喉から溢れ出る真っ赤な血の海の中、漆黒の黒髪を扇状に開いて横たわる彼女は。 身の毛もよだつほど、美しかった(・・・・・)。 そう感じてしまう私は、すでにこの時から、狂っていたのかもしれない。