柴崎くんは私の腕を引っ張り、迷うことなく私と兄が住む家へ向かいインターホンを押した。

 数秒でドアが開くとそこには春にぃが出てきて「え、小春と侑悟?」と呟くとその後から暁くんが出てきた。
 

「……立ち話はなんだし、侑悟も入って」

「はい。お邪魔します」


 リビングに入ると私はフローリングに座らされて春にぃと暁くんと柴崎くんはソファに座っている。

 私、叱られるの……?


「――で、説明してもらおうか」

「はい、春樹さんと暁斗さんは今日は走行会のことご存知ですよね?」

「あぁ、そういえば今日だったな」

「沿道に小春がいたんです。クラスメイトと一緒に」


 うぅ……バレてしまったぁ。
 ファミレス行くって言って出ていったのにぃ

 
「はぁ!? 小春、ご飯に食べに行くって言ってたよな?」

「うん……でも、誘われて」

「なんて誘われたの?」

「キラキラして綺麗だから一緒にって」


 俯くと、前から3人のため息が聞こえた。なんでため息なのよ……。