「小春、大丈夫だよ。あの頃とはちがうからさ」 ……と、暁くんは言うけど私は不安でいっぱいだよ。不安は高まる中、エンジン音が聞こえて車は出発した。 「どう? こいつ結構、うまいでしょ?」 「う、うん……」 暁くんの運転は静かで、あのバイクの時と同じ運転手なのか不思議に思う。 「少し遠いし、小春寝てなよ」 春にぃにそう言われて目を瞑ると、長旅の疲労のせいか睡魔はすぐに襲って来て眠ってしまった。