部屋を出てすぐに下に降りると、春にぃがスーツを着て待っていた。


「おー……可愛いじゃん」

「ありがとう」


 暁くんに見送られ、春にぃの車で駅前まで送ってもらう。改札を通りホームへ向かう。


「小春、おはよう」

 後ろから声を掛けられて振り向く。
 白のシャツに赤のネクタイ、その上にグレーのジャケット、グレーのズボンを履いている男子高校生――柴崎くんだ。


「えっ、あ! 柴崎くんっおはようございます!」


 柴崎くんとは、帰国したばかりの頃に春にぃたちから紹介されてから会うのは3回目。