捜査協力を依頼されたマシュ

「警察犬や軍用犬ならば教えられていることを、教えられている通りに行動できるだろうが・・・」

「無理じゃないのか?」

(できるわい。それに何で名前で呼んでくれへんねん。むかつくわ)

「ちょっと難しいかも知れない。でもマシュちゃんなら可能性は残されていると思うの」

「頭が抜群にいいもの。それに賭けてみましょうよ」

「わしらや警察犬が勝手に人の家の捜索はできんからな・・・その猫に賭けてみるしかないか」

(あかんわ、この人。うちの名前も覚えてくれへん。もうええわ)

あくびちゃんはマシュを武田家の表の引き戸脇のブロック塀の上に乗せると

「お願いね。マシュちゃん」

「危険だったら、すぐに帰ってくるのよ」
とマシュを放しました。