いざ、キュレムとルイーシュを連れ。
稽古場に行ってみると。
「だからぁ、そこの糸を足場にすれば良いんだって!」
「えっ、何処?」
「右下ですよ右下。まぁ僕が切るんですけどね」
「ちっ!言わんこっちゃ…」
「って、言ってるあなたも後ろ、危ないですよー」
「っ!『八千歳』!」
「分かってるから、こっち来なくて…それより前!」
「え?」
ナジュに背後を取られたすぐりを、助けに入ろうと。
勢いよく飛び出したは良いが。
令月は、すぐりの張り巡らせた糸に躓き。
べシャッ、と床に転倒。
一方のすぐりも。
「くっ…」
「接近戦は得意じゃないでしょう?令月さんに前衛任せてるから、余計に」
肉薄するナジュに、苦戦するすぐり。
を、守ろうとしたのか庇おうとしたのか。
令月は転んだ姿勢のまま、片手に持った木刀を、思いっきりナジュに向かって投擲した。
の、だが。
「わっ、危なー」
「は!?」
令月の予想外の行為に、ナジュの方がいち早く反応し。
すぐりを盾にして、自分の身を守った。
お陰で、ナジュに向かって投げた木刀が、すぐりに激突。
「いったぁぁぁ!何すんの!?」
「あ、ごめん…」
…ごめんで済む痛さじゃないだろうなぁ。
試合終了。
またしても、ナジュ一人に敗北。
「何度も言ってるじゃん!足場!足元!よく見て動きなよ。何の為に糸で足場作ってあげてると思ってるのさ!」
「それは…ごめん。でも…何度も言ってるけど、糸見えない」
「だから何度も言ってるじゃん!見えやすくしたら、敵にも見えやすくなるの!それじゃ意味ないじゃんかー!」
「うん」
「ってか木刀!めっちゃ痛いんだけど!真剣だったら死んでるよ!」
「助けようと思って…」
「むしろ背中刺された気分だよ!」
…と。
ご覧の通りの連携ですが。
キュレムとルイーシュ師匠は、どう見る?
ちらり、とキュレムとルイーシュを見ると。
二人共、真顔で令月達を見つめ。
「…なぁ、ルイーシュ」
「何ですか」
「俺達さぁ、初めて共闘したときも、あれほど酷くはなかったよなぁ」
「そうですね。少なくとも、あれの十倍はマシな連携プレーしてましたね」
…そうか。
想像はしていたが、やっぱりそれほど酷いか。
「この間から、毎日ずっと訓練して…ご覧の有り様なんだよ。」
「これはもう無理ですね。教えるだけ無駄ですね。よし帰りましょう」
くるり、と踵を返すルイーシュ。
「待てルイーシュ。諦めるの早過ぎだろお前」
「だってキュレムさんだって、今匙投げたいと思ったでしょ」
「思ったけど、我慢してるんだよ!後輩の為に何とか一肌脱いでやりたい、その思いだけで頑張って留まってるんだよ!俺のやる気を削ぐんじゃない!」
ルイーシュのみならず、キュレムまで匙を投げたいレベルなのか。
これは重症だな。
「…?あの人達、誰?」
「あ、見たことある…。聖魔騎士団の人達だ」
すぐりと令月が、こちらに気づいた。
…よし。
「令月、すぐり、ちょっと来い」
「なーに?誰?この人達」
「お前らの先輩だよ。学院OB」
「…?そんな人が、何か用なの?」
「お前らの、救いようのない連帯感のなさを何とかする為に、助っ人を呼んだんだ。令月は知ってるだろ?」
『アメノミコト』とのイーニシュフェルト魔導学院攻防戦で、キュレムとルイーシュにも会ったはずだ。
「知ってる。窓ガラス自費で払わされた人だよね」
「嫌な覚えられ方だなぁおい!」
う、うん。
まぁ、覚えてるんだからよしとしよう。
「『八千歳』。この人達何なの?」
「凄く連携プレーか上手い人達。あと、窓ガラスを自費で…」
「窓ガラス云々はどうでも良いわぁ!それよりお前達、未熟なお前達の為に、今から俺とルイーシュが色々教えてやる。心して学べ!」
「…」
「…」
「返事は!?」
「…『八千歳』。本当にこの人達凄いの?」
「僕が見た限りでは…。でも窓ガラスを自費で払わされて…」
「それは忘れろっての!何こいつら。生意気にも程があるんだけど!?躾がなってないね躾が!」
…済まん。キュレム。
悪意はない。
そういう奴らなんだ。勘弁してやってくれ。
稽古場に行ってみると。
「だからぁ、そこの糸を足場にすれば良いんだって!」
「えっ、何処?」
「右下ですよ右下。まぁ僕が切るんですけどね」
「ちっ!言わんこっちゃ…」
「って、言ってるあなたも後ろ、危ないですよー」
「っ!『八千歳』!」
「分かってるから、こっち来なくて…それより前!」
「え?」
ナジュに背後を取られたすぐりを、助けに入ろうと。
勢いよく飛び出したは良いが。
令月は、すぐりの張り巡らせた糸に躓き。
べシャッ、と床に転倒。
一方のすぐりも。
「くっ…」
「接近戦は得意じゃないでしょう?令月さんに前衛任せてるから、余計に」
肉薄するナジュに、苦戦するすぐり。
を、守ろうとしたのか庇おうとしたのか。
令月は転んだ姿勢のまま、片手に持った木刀を、思いっきりナジュに向かって投擲した。
の、だが。
「わっ、危なー」
「は!?」
令月の予想外の行為に、ナジュの方がいち早く反応し。
すぐりを盾にして、自分の身を守った。
お陰で、ナジュに向かって投げた木刀が、すぐりに激突。
「いったぁぁぁ!何すんの!?」
「あ、ごめん…」
…ごめんで済む痛さじゃないだろうなぁ。
試合終了。
またしても、ナジュ一人に敗北。
「何度も言ってるじゃん!足場!足元!よく見て動きなよ。何の為に糸で足場作ってあげてると思ってるのさ!」
「それは…ごめん。でも…何度も言ってるけど、糸見えない」
「だから何度も言ってるじゃん!見えやすくしたら、敵にも見えやすくなるの!それじゃ意味ないじゃんかー!」
「うん」
「ってか木刀!めっちゃ痛いんだけど!真剣だったら死んでるよ!」
「助けようと思って…」
「むしろ背中刺された気分だよ!」
…と。
ご覧の通りの連携ですが。
キュレムとルイーシュ師匠は、どう見る?
ちらり、とキュレムとルイーシュを見ると。
二人共、真顔で令月達を見つめ。
「…なぁ、ルイーシュ」
「何ですか」
「俺達さぁ、初めて共闘したときも、あれほど酷くはなかったよなぁ」
「そうですね。少なくとも、あれの十倍はマシな連携プレーしてましたね」
…そうか。
想像はしていたが、やっぱりそれほど酷いか。
「この間から、毎日ずっと訓練して…ご覧の有り様なんだよ。」
「これはもう無理ですね。教えるだけ無駄ですね。よし帰りましょう」
くるり、と踵を返すルイーシュ。
「待てルイーシュ。諦めるの早過ぎだろお前」
「だってキュレムさんだって、今匙投げたいと思ったでしょ」
「思ったけど、我慢してるんだよ!後輩の為に何とか一肌脱いでやりたい、その思いだけで頑張って留まってるんだよ!俺のやる気を削ぐんじゃない!」
ルイーシュのみならず、キュレムまで匙を投げたいレベルなのか。
これは重症だな。
「…?あの人達、誰?」
「あ、見たことある…。聖魔騎士団の人達だ」
すぐりと令月が、こちらに気づいた。
…よし。
「令月、すぐり、ちょっと来い」
「なーに?誰?この人達」
「お前らの先輩だよ。学院OB」
「…?そんな人が、何か用なの?」
「お前らの、救いようのない連帯感のなさを何とかする為に、助っ人を呼んだんだ。令月は知ってるだろ?」
『アメノミコト』とのイーニシュフェルト魔導学院攻防戦で、キュレムとルイーシュにも会ったはずだ。
「知ってる。窓ガラス自費で払わされた人だよね」
「嫌な覚えられ方だなぁおい!」
う、うん。
まぁ、覚えてるんだからよしとしよう。
「『八千歳』。この人達何なの?」
「凄く連携プレーか上手い人達。あと、窓ガラスを自費で…」
「窓ガラス云々はどうでも良いわぁ!それよりお前達、未熟なお前達の為に、今から俺とルイーシュが色々教えてやる。心して学べ!」
「…」
「…」
「返事は!?」
「…『八千歳』。本当にこの人達凄いの?」
「僕が見た限りでは…。でも窓ガラスを自費で払わされて…」
「それは忘れろっての!何こいつら。生意気にも程があるんだけど!?躾がなってないね躾が!」
…済まん。キュレム。
悪意はない。
そういう奴らなんだ。勘弁してやってくれ。


