「!?」
気づいたときには、僕の下に『八千歳』がいなかった。
いつの間に。
「あぁ…。危なかった…」
聞き覚えのある声がして、僕は驚いて振り向いた。
そこには。
杖を向ける羽久と、
「ふぅ、間一髪だったね」
「全くですよ」
「無事で良かった…」
シルナ学院長、不死身先生、そして天音先生の三人がいた。
おまけに学院長は、ボロボロになった『八千歳』の身体を抱いていた。
殺されると思っていた『八千歳』は、いつの間にか学院長の腕の中にいることに気づき。
「…!誰だ、お前…!」
抵抗しようとしたが、しかし。
「はいはい、暴れない暴れない。ちょっと拘束させてもらうねー」
「!?」
学院長が、杖を一振りすると。
『八千歳』の両腕と両足に、光の枷のようなものがつけられた。
「な…何だこれっ…」
「シルナ特製手錠。簡単には取れないからね。暴れないで」
そ、そんな便利な魔法が。
いや、そんなことより。
…何で。
何でここに…この人達が。
「ふふふ。思うことは色々あるようですが」
不死身先生…改め、読心野郎が。
不敵に笑った。
「あなたは自分で思ってるより、詰めが甘いってことですよ」
「…!」
詰めが…甘いだと?
それってどういう…。
あ、駄目だ失血で考えがまとまらない。
それとも毒か?
「その前に、まず治療が先」
読心野郎を制して、天音先生が駆け寄ってきた。
もう死ぬのを待つしかない、と思っていたのに。
天音先生の回復魔法のお陰で、みるみるうちに傷口が塞がり始めた。
でも、毒の方はどうだろう。
毒がどうにもならなかったら、いずれにしても僕は死ぬが…。
「死ぬと思ってるみたいですよ、彼」
この野郎。
死の間際まで、心を読んでくる。
しかし。
「大丈夫だよ」
天音先生が、僕の手をぎゅっと握った。
「絶対死なせない。安心して」
「…」
死なせない…って言ったって。
駄目だ。視界が霞んできた。
やっぱり死ぬのかな。
「死にませんって。そんな簡単に死ねるなら、僕だって苦労してませんよ」
今際の際で、人生最期に聞くのが、あの読心野郎の声かよ。
心の中でそう呟いて、僕は意識を失った。
気づいたときには、僕の下に『八千歳』がいなかった。
いつの間に。
「あぁ…。危なかった…」
聞き覚えのある声がして、僕は驚いて振り向いた。
そこには。
杖を向ける羽久と、
「ふぅ、間一髪だったね」
「全くですよ」
「無事で良かった…」
シルナ学院長、不死身先生、そして天音先生の三人がいた。
おまけに学院長は、ボロボロになった『八千歳』の身体を抱いていた。
殺されると思っていた『八千歳』は、いつの間にか学院長の腕の中にいることに気づき。
「…!誰だ、お前…!」
抵抗しようとしたが、しかし。
「はいはい、暴れない暴れない。ちょっと拘束させてもらうねー」
「!?」
学院長が、杖を一振りすると。
『八千歳』の両腕と両足に、光の枷のようなものがつけられた。
「な…何だこれっ…」
「シルナ特製手錠。簡単には取れないからね。暴れないで」
そ、そんな便利な魔法が。
いや、そんなことより。
…何で。
何でここに…この人達が。
「ふふふ。思うことは色々あるようですが」
不死身先生…改め、読心野郎が。
不敵に笑った。
「あなたは自分で思ってるより、詰めが甘いってことですよ」
「…!」
詰めが…甘いだと?
それってどういう…。
あ、駄目だ失血で考えがまとまらない。
それとも毒か?
「その前に、まず治療が先」
読心野郎を制して、天音先生が駆け寄ってきた。
もう死ぬのを待つしかない、と思っていたのに。
天音先生の回復魔法のお陰で、みるみるうちに傷口が塞がり始めた。
でも、毒の方はどうだろう。
毒がどうにもならなかったら、いずれにしても僕は死ぬが…。
「死ぬと思ってるみたいですよ、彼」
この野郎。
死の間際まで、心を読んでくる。
しかし。
「大丈夫だよ」
天音先生が、僕の手をぎゅっと握った。
「絶対死なせない。安心して」
「…」
死なせない…って言ったって。
駄目だ。視界が霞んできた。
やっぱり死ぬのかな。
「死にませんって。そんな簡単に死ねるなら、僕だって苦労してませんよ」
今際の際で、人生最期に聞くのが、あの読心野郎の声かよ。
心の中でそう呟いて、僕は意識を失った。


