令月とすぐりの、謎のクッキングは続く。
現在の、フライパンの状況を説明しよう。
新鮮シャキシャキだったはずのリーフレタスと、生でカチコチの人参が素焼きにされ。
その上に、ハンバーグの肉ダネもどきが二つ、でろんと乗っていた。
フライパンからはジュージュー良い音がしてるが、良いのは音だけ。
フライパンの中身は、恐ろしいことになっている。
食べられないものは、入ってない。
しかし、それは決して食べ物ではない。
「で、次は何したら良いの?」
「焦げ目がついてきたら、裏返すって」
まだ何一つ、全然火は通っていないのだが。
強いて言うなら、リーフレタスがしんなりしてきた。
ここで問題発生。
「裏返す…って、どーやるの?」
「…どうやるんだろう…」
この二人は、フライ返しの存在を知らなかった。
調理室に、ちゃんとフライ返しはある。
が、二人共、その器具の使い方を知らないのだ。
故に。
「うーわ、もうグッチャグチャだよ。何これ?」
菜箸で、全部ひっくり返していた。
何これ、はこっちの台詞だ。
何だそれは。
「多分、これがルーデュニア聖王国の郷土料理なんだよ」
違うよ。
勝手に、人の国の郷土料理を作成するんじゃない。
しかも、そんな人間の食べ物とは程遠いものを。
ルーデュニア人に謝れ。
「で、蓋をして蒸し焼きにするんだって」
「ふーん」
パコッ、と蓋をする。
今更蓋をして、どうにもならないだろうと思ったが。
とりあえず、肉には火を通してもらわないと。
食中毒起こすぞ。
例え火が通っていたとしても、食中毒になる可能性はある。
しかし。
この二人、分量とか焼き時間とか火加減とか、全部適当なので。
蓋をして、強火でおよそ30秒ほど焼いた後。
「それで?」
「火が通ったら完成だって」
「ふーん」
蓋を開けるすぐり。
はえーよ。
全然まだ火、通ってないよ。生。
「火、通ったかな?」
「分かんない」
生の状態と、火が通った状態の区別がついてないらしい。
「でも、火を強くしてるから、きっと大丈夫だよ」
令月、お前何言ってんの?
「うーん。まぁ、昔の人は、レアの肉をそのまま食べてたって言うしねー」
そういうところで、無駄な知識を披露するな。
「じゃあ、あと10分たったら火を止めよう」
何処から出てきた。その数字。
絶対適当だろ。
「分かった。じゃあ10分待とう」
令月も、少しは異議を唱えろ。
…結果。
グツグツボウボウと、強火でハンバーグ(だったはずのもの)を、きっかり10分、焼いて。
出来上がった謎のブツを、皿に盛って。
令月とすぐりの、謎クッキング、終了。
現在の、フライパンの状況を説明しよう。
新鮮シャキシャキだったはずのリーフレタスと、生でカチコチの人参が素焼きにされ。
その上に、ハンバーグの肉ダネもどきが二つ、でろんと乗っていた。
フライパンからはジュージュー良い音がしてるが、良いのは音だけ。
フライパンの中身は、恐ろしいことになっている。
食べられないものは、入ってない。
しかし、それは決して食べ物ではない。
「で、次は何したら良いの?」
「焦げ目がついてきたら、裏返すって」
まだ何一つ、全然火は通っていないのだが。
強いて言うなら、リーフレタスがしんなりしてきた。
ここで問題発生。
「裏返す…って、どーやるの?」
「…どうやるんだろう…」
この二人は、フライ返しの存在を知らなかった。
調理室に、ちゃんとフライ返しはある。
が、二人共、その器具の使い方を知らないのだ。
故に。
「うーわ、もうグッチャグチャだよ。何これ?」
菜箸で、全部ひっくり返していた。
何これ、はこっちの台詞だ。
何だそれは。
「多分、これがルーデュニア聖王国の郷土料理なんだよ」
違うよ。
勝手に、人の国の郷土料理を作成するんじゃない。
しかも、そんな人間の食べ物とは程遠いものを。
ルーデュニア人に謝れ。
「で、蓋をして蒸し焼きにするんだって」
「ふーん」
パコッ、と蓋をする。
今更蓋をして、どうにもならないだろうと思ったが。
とりあえず、肉には火を通してもらわないと。
食中毒起こすぞ。
例え火が通っていたとしても、食中毒になる可能性はある。
しかし。
この二人、分量とか焼き時間とか火加減とか、全部適当なので。
蓋をして、強火でおよそ30秒ほど焼いた後。
「それで?」
「火が通ったら完成だって」
「ふーん」
蓋を開けるすぐり。
はえーよ。
全然まだ火、通ってないよ。生。
「火、通ったかな?」
「分かんない」
生の状態と、火が通った状態の区別がついてないらしい。
「でも、火を強くしてるから、きっと大丈夫だよ」
令月、お前何言ってんの?
「うーん。まぁ、昔の人は、レアの肉をそのまま食べてたって言うしねー」
そういうところで、無駄な知識を披露するな。
「じゃあ、あと10分たったら火を止めよう」
何処から出てきた。その数字。
絶対適当だろ。
「分かった。じゃあ10分待とう」
令月も、少しは異議を唱えろ。
…結果。
グツグツボウボウと、強火でハンバーグ(だったはずのもの)を、きっかり10分、焼いて。
出来上がった謎のブツを、皿に盛って。
令月とすぐりの、謎クッキング、終了。


