それ以降。
すぐりは、やたらと令月に突っかかるようになった。
いや、もとからその傾向はあったが。
例えば。
「…すぐり、何やってんの?」
「え?カエルの卵、不味そうだから『八千代』に押し付けてる」
「…」
現在は夏休み中。
夏休みにつき、学校の食堂が閉まっているので。
夏休みの間だけ、お弁当を取っているのだが。
すぐりは、自分の嫌いな食べ物を、令月の皿に放り投げていた。
え?カエルの卵が弁当に入ってるの?とドン引きした、そこのあなた。
別にカエルの卵なんて入ってない。
グリーンピースだ。
「…僕も、カエルの卵嫌いなんだけど…」
令月が、ポイポイ投げられるグリーンピースを前に、しょんぼりと言った。
大丈夫だ。俺もカエルの卵は食べられない。
そしてそれは、グリーンピースだ。
すると。
「え?君カエルの卵も食べられないの?お子様だなぁ〜」
と、嘲笑うすぐり。
お前は、たった今自分がしたことを覚えているのか。
自分も食べられないんだろ。
あと何度も言ってるが、それはグリーンピースだ。
と、まぁこんなことがあったり。
他にも。
「はいっ、二人共〜。今日のおやつはラズベリーチーズケーキだよ〜」
と、頭の中お花畑のシルナが、午後のおやつに二人を招いた。
チーズケーキの上に、ラズベリーが乗っかっている。
ケーキの種類をそれぞれ分けると、絶対喧嘩になる(主にすぐりが)ので、今日は二人共同じ。
二人共同じケーキなら、喧嘩も勃発しないだろう。
と、思っていたのが間違いだった。
「…『八千代』。ちょっとそれ貸して」
何を思ったか、すぐりは令月のお皿を指差した。
「…?良いよ」
令月は、素直にチーズケーキの乗った皿を、すぐりに渡す。
するとすぐりは、令月のチーズケーキの上に乗っているラズベリーを。
ひょいぱくひょいぱくひょいぱく、と強奪。
「はい、もう良いよ」
「…」
…こいつ。
ラズベリーだけ掻っ攫って、チーズケーキの部分だけ返しやがった。
悪魔の所業。
絶対怒っても良いと思ったが、令月はラズベリーを失ったチーズケーキを見下ろし。
「…もぐ」
無言で、チーズケーキの部分だけを食べていた。
俺とシルナは、あまりの衝撃に呆然としていた。
すぐりは、やたらと令月に突っかかるようになった。
いや、もとからその傾向はあったが。
例えば。
「…すぐり、何やってんの?」
「え?カエルの卵、不味そうだから『八千代』に押し付けてる」
「…」
現在は夏休み中。
夏休みにつき、学校の食堂が閉まっているので。
夏休みの間だけ、お弁当を取っているのだが。
すぐりは、自分の嫌いな食べ物を、令月の皿に放り投げていた。
え?カエルの卵が弁当に入ってるの?とドン引きした、そこのあなた。
別にカエルの卵なんて入ってない。
グリーンピースだ。
「…僕も、カエルの卵嫌いなんだけど…」
令月が、ポイポイ投げられるグリーンピースを前に、しょんぼりと言った。
大丈夫だ。俺もカエルの卵は食べられない。
そしてそれは、グリーンピースだ。
すると。
「え?君カエルの卵も食べられないの?お子様だなぁ〜」
と、嘲笑うすぐり。
お前は、たった今自分がしたことを覚えているのか。
自分も食べられないんだろ。
あと何度も言ってるが、それはグリーンピースだ。
と、まぁこんなことがあったり。
他にも。
「はいっ、二人共〜。今日のおやつはラズベリーチーズケーキだよ〜」
と、頭の中お花畑のシルナが、午後のおやつに二人を招いた。
チーズケーキの上に、ラズベリーが乗っかっている。
ケーキの種類をそれぞれ分けると、絶対喧嘩になる(主にすぐりが)ので、今日は二人共同じ。
二人共同じケーキなら、喧嘩も勃発しないだろう。
と、思っていたのが間違いだった。
「…『八千代』。ちょっとそれ貸して」
何を思ったか、すぐりは令月のお皿を指差した。
「…?良いよ」
令月は、素直にチーズケーキの乗った皿を、すぐりに渡す。
するとすぐりは、令月のチーズケーキの上に乗っているラズベリーを。
ひょいぱくひょいぱくひょいぱく、と強奪。
「はい、もう良いよ」
「…」
…こいつ。
ラズベリーだけ掻っ攫って、チーズケーキの部分だけ返しやがった。
悪魔の所業。
絶対怒っても良いと思ったが、令月はラズベリーを失ったチーズケーキを見下ろし。
「…もぐ」
無言で、チーズケーキの部分だけを食べていた。
俺とシルナは、あまりの衝撃に呆然としていた。


