学院に着く頃には、そろそろ空が暗くなり始めていた。
一人で学院に帰ると、校門付近で、ジョギング中の令月と鉢合わせた。
こんな時間まで、精の出る奴だよ。
「令月。まだ走ってるのか?」
「あ、羽久お帰り」
喋りながらも、令月はその場で駆け足を続けていた。
本人曰く、走っている最中にいきなり止まるのは、身体に悪いらしい。
止まるときはゆっくり、歩調を穏やかに、「走る」から「歩く」に変えていくのがベストらしい。
「そろそろいい加減にして、もう学生寮に帰れよ」
「うん。でも」
でも?
「…学院長は?一緒に行ったんじゃないの?」
あぁ…。うん。
あいつはなぁ…うん。
「お星様になった」
「…お星様?」
「あぁ、見てみろ令月」
空には、丁度星が点々と見え始めていた。
その中の一つを指差した。
「あれがシルナだ」
「そっか…。僕達を見守ってくれてるんだね」
「そうだ。夜空を照らしてくれてるんだよ」
「ありがとう。『八千歳』にも伝えておくよ」
「あぁ。そうしてくれ」
シルナは、尊いお星様になったってな。
で、その後。
学生寮に帰っていく令月の背中を見送り。
俺は、校舎内に入った。
すると。
「よー、イレース」
「あら、羽久さん…。あなた一人ですか?アホの学院長は?これ、学院長の署名が要る書類なんですけど」
イレースは、シルナの署名が必要な書類の束を持って、待ち構えていた。
しかし。
「シルナは…お星様になったよ」
「何ですって?星でもゴキブリでもムカデでも何でも良いから、署名はして欲しいんですけど。全くこれだから…」
イラつくイレースである。
更に。
「何々?学院長が星になったんですか?」
ナジュがやって来た。
「あぁ」
「そうですか〜。良いなー僕も星になりたい。あっ、そうだ。じゃあ今のうちに、学院長の秘蔵のお菓子摘んでこよーっと」
…今のところ。
学院内の誰一人、シルナが星になったことについて、言及する者、なし。
後で聞くところによると、令月から「学院長はお星様になったらしいよ」と告げられたすぐりは。
驚くでも動揺するでもなく、
「へぇ〜」と、一言言っただけだったらしい。
さようなら、シルナ星。
美しいその夜空から、俺達を見守っていてくれ。
一人で学院に帰ると、校門付近で、ジョギング中の令月と鉢合わせた。
こんな時間まで、精の出る奴だよ。
「令月。まだ走ってるのか?」
「あ、羽久お帰り」
喋りながらも、令月はその場で駆け足を続けていた。
本人曰く、走っている最中にいきなり止まるのは、身体に悪いらしい。
止まるときはゆっくり、歩調を穏やかに、「走る」から「歩く」に変えていくのがベストらしい。
「そろそろいい加減にして、もう学生寮に帰れよ」
「うん。でも」
でも?
「…学院長は?一緒に行ったんじゃないの?」
あぁ…。うん。
あいつはなぁ…うん。
「お星様になった」
「…お星様?」
「あぁ、見てみろ令月」
空には、丁度星が点々と見え始めていた。
その中の一つを指差した。
「あれがシルナだ」
「そっか…。僕達を見守ってくれてるんだね」
「そうだ。夜空を照らしてくれてるんだよ」
「ありがとう。『八千歳』にも伝えておくよ」
「あぁ。そうしてくれ」
シルナは、尊いお星様になったってな。
で、その後。
学生寮に帰っていく令月の背中を見送り。
俺は、校舎内に入った。
すると。
「よー、イレース」
「あら、羽久さん…。あなた一人ですか?アホの学院長は?これ、学院長の署名が要る書類なんですけど」
イレースは、シルナの署名が必要な書類の束を持って、待ち構えていた。
しかし。
「シルナは…お星様になったよ」
「何ですって?星でもゴキブリでもムカデでも何でも良いから、署名はして欲しいんですけど。全くこれだから…」
イラつくイレースである。
更に。
「何々?学院長が星になったんですか?」
ナジュがやって来た。
「あぁ」
「そうですか〜。良いなー僕も星になりたい。あっ、そうだ。じゃあ今のうちに、学院長の秘蔵のお菓子摘んでこよーっと」
…今のところ。
学院内の誰一人、シルナが星になったことについて、言及する者、なし。
後で聞くところによると、令月から「学院長はお星様になったらしいよ」と告げられたすぐりは。
驚くでも動揺するでもなく、
「へぇ〜」と、一言言っただけだったらしい。
さようなら、シルナ星。
美しいその夜空から、俺達を見守っていてくれ。


