「…あっ!」
「ふぇ?」
俺がいきなり大声を出すと。
トマトを齧っていたツキナが、くるりとこちらを向いた。
よし。
「ちょ、ツキナあれ何?UFO?UFOじゃない!?」
「えっ!UFO!?何処、何処!?」
「ほら!あそこあそこ!」
俺は、必死に空を見上げ、指を差した。
そこには勿論、UFOなんてない。
そもそも俺、UFOなんて見たことない。
ナジュせんせーもないらしい。
つーか、「あっ!あれUFOじゃない!?」と言って。
本当に「UFO!?何処!?」と騙される人間は、多分ツキナくらい。
あ、でも。
学院長も、引っ掛かりそうではある。
「あ!あれ空飛ぶケーキじゃない!?」とか言ったら、マジで引っ掛かりそう。
いや、そんなことはどうでも良い。
「すぐり君すぐり君!UFO何処!?」
「あぁほら、そっちじゃなくて、あっち!ほら!点滅してるよ!」
「えぇぇ!何処何処!?私見えないよー!」
大丈夫、俺も見えてない。
雲しか見えてないから。
ツキナが阿呆のように首を真上に上げて、きょろきょろと空を見上げている、その隙に。
俺は、片手に持っていたトマトを、自分の制服の裏に隠した。
これぞ、ナジュせんせーの考案した、必勝法。
最初聞いたときは、今時、そんな作戦が通用するのかと訝しんだものだが。
「UFO!UFO何処!?CQ!CQ!」
ぶっ刺さりである。
「ちょっと頭が弱いツキナさんなら、行ける行ける」と言っていたナジュせんせー、さすがである。
そしてツキナ。
君は本当に、こんな子供騙し作戦に引っ掛かってしまうのか。
将来絶対、ありとあらゆる詐欺に遭うぞ。
俺が守ってあげないとなぁ。
さて、無事にトマトも隠したので。
「ねぇねぇ、すぐり君!UFOは!?」
「あー…。もういなくなっちゃったよ…」
「えー!」
ガーン!と残念そうなツキナ。
見たかったのか。UFO。
「見逃したね〜、ツキナ。貴重な瞬間を」
「あぅぅ〜…」
ま、最初から、そんなもの何処にもないから大丈夫。
「どうしよう、すぐり君…」
「何が?」
「地球を侵略しようと思って、偵察に来てたのかも。そしたら私達、みすみす見逃しちゃったことになるよね?」
想像力豊かだなぁこの子。
伊達に、白馬の王子様を夢見てるだけのことはある。
「だ〜いじょぶだいじょぶ。もし宇宙人が侵略しに来たら…」
「仲良くなれるかな?」
「…さぁ…」
俺が全部倒してあげるよ、と言おうとしたら。
ツキナは平和主義だった。
まぁ、大丈夫だ。
宇宙人だろうと神様だろうと、幽霊だろうと。
人間ほど、恐ろしい生き物はいないからさ。
「ふぇ?」
俺がいきなり大声を出すと。
トマトを齧っていたツキナが、くるりとこちらを向いた。
よし。
「ちょ、ツキナあれ何?UFO?UFOじゃない!?」
「えっ!UFO!?何処、何処!?」
「ほら!あそこあそこ!」
俺は、必死に空を見上げ、指を差した。
そこには勿論、UFOなんてない。
そもそも俺、UFOなんて見たことない。
ナジュせんせーもないらしい。
つーか、「あっ!あれUFOじゃない!?」と言って。
本当に「UFO!?何処!?」と騙される人間は、多分ツキナくらい。
あ、でも。
学院長も、引っ掛かりそうではある。
「あ!あれ空飛ぶケーキじゃない!?」とか言ったら、マジで引っ掛かりそう。
いや、そんなことはどうでも良い。
「すぐり君すぐり君!UFO何処!?」
「あぁほら、そっちじゃなくて、あっち!ほら!点滅してるよ!」
「えぇぇ!何処何処!?私見えないよー!」
大丈夫、俺も見えてない。
雲しか見えてないから。
ツキナが阿呆のように首を真上に上げて、きょろきょろと空を見上げている、その隙に。
俺は、片手に持っていたトマトを、自分の制服の裏に隠した。
これぞ、ナジュせんせーの考案した、必勝法。
最初聞いたときは、今時、そんな作戦が通用するのかと訝しんだものだが。
「UFO!UFO何処!?CQ!CQ!」
ぶっ刺さりである。
「ちょっと頭が弱いツキナさんなら、行ける行ける」と言っていたナジュせんせー、さすがである。
そしてツキナ。
君は本当に、こんな子供騙し作戦に引っ掛かってしまうのか。
将来絶対、ありとあらゆる詐欺に遭うぞ。
俺が守ってあげないとなぁ。
さて、無事にトマトも隠したので。
「ねぇねぇ、すぐり君!UFOは!?」
「あー…。もういなくなっちゃったよ…」
「えー!」
ガーン!と残念そうなツキナ。
見たかったのか。UFO。
「見逃したね〜、ツキナ。貴重な瞬間を」
「あぅぅ〜…」
ま、最初から、そんなもの何処にもないから大丈夫。
「どうしよう、すぐり君…」
「何が?」
「地球を侵略しようと思って、偵察に来てたのかも。そしたら私達、みすみす見逃しちゃったことになるよね?」
想像力豊かだなぁこの子。
伊達に、白馬の王子様を夢見てるだけのことはある。
「だ〜いじょぶだいじょぶ。もし宇宙人が侵略しに来たら…」
「仲良くなれるかな?」
「…さぁ…」
俺が全部倒してあげるよ、と言おうとしたら。
ツキナは平和主義だった。
まぁ、大丈夫だ。
宇宙人だろうと神様だろうと、幽霊だろうと。
人間ほど、恐ろしい生き物はいないからさ。


