…この男をここまで追い詰めるのに、どれだけ苦労したことか。
手間かけさせやがって。
「今、お前の首を狙ったら…まだ隠れてるお前の手駒が、お前を助けに入るのか?」
「…」
「それともあれか。また『奴らは所詮四天王の中でも最弱』とでも言ってみるか?」
言えないだろう。
だって四天王最弱は、この間のイーニシュフェルト魔導学院襲撃の際に、攻めてきた暗殺者。
あれらが最弱だとしたら、今回のレインボー集団は、確かにあれらよりは強かった。
つまり、四天王の中でも真ん中、くらいには強い手駒のはずだったのだ。
しかしそれすらも、俺達には届かなかった。
それでジジィ、守られてるだけで、自分が血を流すことなんて、一つも考えてない糞ジジィ。
お前はこの期に及んで、どうするつもりなんだ?
「…良いだろう」
鬼頭は、偉そうにそう言った。
「黒月令月、花曇すぐり。今回は、貴様らの処分を見逃してやる」
「…」
「儂の気が変わらん内に、疾く失せることだ。貴様らの顔など、もう見たくもない…」
「…おい、糞ジジィ」
さっきまでも、充分俺を苛立たせてくれたもんだが。
今回は、また更にそれを上回る台詞をありがとう。
「それはこっちの台詞だ。てめぇ、自分の立場が分かってるのか?」
「…」
「…ナジュ。この男、まだ暗殺者を隠してるのか?」
ナジュに尋ねると、言葉の出ない彼は首を横に振った。
成程。
つまりお前は今、孤立無援な訳だ。
それが何を意味するか、分かるな?
…貴様の、裁きのときだ。
俺は、一歩、二歩と鬼頭夜陰に歩み寄った。
俺の目には、忌々しい鬼頭の顔しか見えていなかった。
故に、俺は知らなかった。
「…」
読心魔法で真実を知り、ナジュは、懐から紙とペンを取り出し、何かをさらさらと書きつけ。
それを、令月に渡した。
「…そう」
令月は、特に驚くこともなく、小太刀を両手に構えた。
そうとも知らず、俺は鬼頭夜陰に杖を向けた。
「…死んで、自分が駒にした命達に謝ってこい」
「ま、待て。儂を殺せば、貴様らは厄介なことになるぞ」
「あ?」
見苦しくも。
鬼頭は、命乞い作戦に出た。
「儂を殺せば、ジャマ王国本国にいる、『アメノミコト』本隊がルーデュニア聖王国に攻めてくる。国同士を巻き込んだ、戦争になるぞ」
「…」
俺達だけなら、いくらでも戦ってやるが。
そのせいで、無辜のルーデュニア国民が巻き込まれるのは、確かに俺としても不本意。
だが、それでも…。
「ここで儂をみ、見逃せば、今後『アメノミコト』の人間がルーデュニアの国境を越えることはない。それを約束しよう。だから…」
「アホ抜かせ。お前の言うことなんて、信じられる訳、」
と、俺が言ったその瞬間。
ギロチンを越える速度で、令月の小太刀が迫った。
気がついたときには、鬼頭の首が、ころん、と地面に転がり。
切断面から、血飛沫が舞っていた。
「…!?令月?」
「…」
令月の目は冷たく、鬼頭の亡骸を見下ろしていた。
かつて自分を洗脳し、痛めつけ、利用した男を、自分の手で殺したかったってことか?
それとも…。
「…羽久」
「令月…お前」
「これ、本物じゃないんだって」
「…!?」
俺はしばしの間、その言葉の意味が分からなかった。
本物じゃない…だって?
手間かけさせやがって。
「今、お前の首を狙ったら…まだ隠れてるお前の手駒が、お前を助けに入るのか?」
「…」
「それともあれか。また『奴らは所詮四天王の中でも最弱』とでも言ってみるか?」
言えないだろう。
だって四天王最弱は、この間のイーニシュフェルト魔導学院襲撃の際に、攻めてきた暗殺者。
あれらが最弱だとしたら、今回のレインボー集団は、確かにあれらよりは強かった。
つまり、四天王の中でも真ん中、くらいには強い手駒のはずだったのだ。
しかしそれすらも、俺達には届かなかった。
それでジジィ、守られてるだけで、自分が血を流すことなんて、一つも考えてない糞ジジィ。
お前はこの期に及んで、どうするつもりなんだ?
「…良いだろう」
鬼頭は、偉そうにそう言った。
「黒月令月、花曇すぐり。今回は、貴様らの処分を見逃してやる」
「…」
「儂の気が変わらん内に、疾く失せることだ。貴様らの顔など、もう見たくもない…」
「…おい、糞ジジィ」
さっきまでも、充分俺を苛立たせてくれたもんだが。
今回は、また更にそれを上回る台詞をありがとう。
「それはこっちの台詞だ。てめぇ、自分の立場が分かってるのか?」
「…」
「…ナジュ。この男、まだ暗殺者を隠してるのか?」
ナジュに尋ねると、言葉の出ない彼は首を横に振った。
成程。
つまりお前は今、孤立無援な訳だ。
それが何を意味するか、分かるな?
…貴様の、裁きのときだ。
俺は、一歩、二歩と鬼頭夜陰に歩み寄った。
俺の目には、忌々しい鬼頭の顔しか見えていなかった。
故に、俺は知らなかった。
「…」
読心魔法で真実を知り、ナジュは、懐から紙とペンを取り出し、何かをさらさらと書きつけ。
それを、令月に渡した。
「…そう」
令月は、特に驚くこともなく、小太刀を両手に構えた。
そうとも知らず、俺は鬼頭夜陰に杖を向けた。
「…死んで、自分が駒にした命達に謝ってこい」
「ま、待て。儂を殺せば、貴様らは厄介なことになるぞ」
「あ?」
見苦しくも。
鬼頭は、命乞い作戦に出た。
「儂を殺せば、ジャマ王国本国にいる、『アメノミコト』本隊がルーデュニア聖王国に攻めてくる。国同士を巻き込んだ、戦争になるぞ」
「…」
俺達だけなら、いくらでも戦ってやるが。
そのせいで、無辜のルーデュニア国民が巻き込まれるのは、確かに俺としても不本意。
だが、それでも…。
「ここで儂をみ、見逃せば、今後『アメノミコト』の人間がルーデュニアの国境を越えることはない。それを約束しよう。だから…」
「アホ抜かせ。お前の言うことなんて、信じられる訳、」
と、俺が言ったその瞬間。
ギロチンを越える速度で、令月の小太刀が迫った。
気がついたときには、鬼頭の首が、ころん、と地面に転がり。
切断面から、血飛沫が舞っていた。
「…!?令月?」
「…」
令月の目は冷たく、鬼頭の亡骸を見下ろしていた。
かつて自分を洗脳し、痛めつけ、利用した男を、自分の手で殺したかったってことか?
それとも…。
「…羽久」
「令月…お前」
「これ、本物じゃないんだって」
「…!?」
俺はしばしの間、その言葉の意味が分からなかった。
本物じゃない…だって?


