「こんにちは、園芸部のお二人様」
「あ、ナジュ先生こんにちはー」
僕が園芸部の畑を訪ねると。
ツキナ・クロストレイが迎えてくれた。
いつ会っても笑顔だな、この子は。
聞くところによると、音魔法が得意らしいよ。
すぐりさんの心の中を読んだとき知った。
…まぁ。
相変わらず僕は、彼が心に被せた仮面を、剥がせていないのだが。
「今日は何をしてるんですか?」
「水やりです!」
右手にじょうろ、左手にもじょうろを持ったツキナさんが、笑顔で答えた。
両手にじょうろ持ってるんだから、何をしてるのかなんて、尋ねるまでもなく分かるだろうに。
ちゃんと面倒臭がらずに、素直に答えてくれる。
すぐりさんは、こういう無邪気な子がタイプなんだな。
自分は邪気にまみれてるから、無意識に無邪気なタイプを選んでしまうのかもしれない。
そういえば、僕もそうだな。
あれ?もしかして僕達、同類…?
いや、僕は年上派だから。
「きゅうりは水を絶やしちゃ駄目なんですよー。お水たくさんどうぞー」
とか言いながら、きゅうりの苗に水をやるツキナさん。
知ってる?
きゅうりって、世界一栄養のない野菜らしいよ。
なんて、言ったらツキナさんが泣き出しかねないので、言わない。
だってツキナさんを泣かせたら、僕がすぐりさんに酷い目に遭わされるよ。
さすがに、二度も毒入りミンチになるのは御免だからな。
それで。
今日の「対価」を、ちゃんと収穫しておかないとな。
「一つ聞いて良いですか?」
「何ですか?」
「ツキナさんの、好きな男性のタイプは?」
ちなみに。
これらの質問は、僕が考えているのではない。
毎日、すぐりさんから「明日はこれこれこういうことを聞いてくれ」とリクエストが来る。
僕は、その通り聞いているに過ぎない。
つまり、何が言いたいのかというと。
下心の塊なのはすぐりさんであって、僕ではない。
「えー?うーん。そうだなぁ~」
じょうろを両手に、考えるツキナさん。
僕のみならず。
すぐりさんも、ピタリと動きを止めて、ツキナさんの返答に聞き耳を立てていた。
下心の塊で生きてるな、あの人。
「ううん、えぇ~っと…」
「難しいですか?」
「うーん、白馬に乗って迎えに来てくれる王子様が好きです!」
…すぐりさんが。
ガクンと地面に膝をついて、絶句していらっしゃった。
あらお気の毒。
残念ながら、これが彼女の本心みたいですよ。
「今時、白馬に乗って迎えに来てくれる王子様はいるんですかね?」
「えへへ。でもそんな人が好きです!」
「へぇ~」
あー、良かった。
リリスが、「白馬に乗った王子様が好き!」なんて言わなくて。
危うく、乗馬の練習から始めなきゃならないところだったよ。
「あ、ナジュ先生こんにちはー」
僕が園芸部の畑を訪ねると。
ツキナ・クロストレイが迎えてくれた。
いつ会っても笑顔だな、この子は。
聞くところによると、音魔法が得意らしいよ。
すぐりさんの心の中を読んだとき知った。
…まぁ。
相変わらず僕は、彼が心に被せた仮面を、剥がせていないのだが。
「今日は何をしてるんですか?」
「水やりです!」
右手にじょうろ、左手にもじょうろを持ったツキナさんが、笑顔で答えた。
両手にじょうろ持ってるんだから、何をしてるのかなんて、尋ねるまでもなく分かるだろうに。
ちゃんと面倒臭がらずに、素直に答えてくれる。
すぐりさんは、こういう無邪気な子がタイプなんだな。
自分は邪気にまみれてるから、無意識に無邪気なタイプを選んでしまうのかもしれない。
そういえば、僕もそうだな。
あれ?もしかして僕達、同類…?
いや、僕は年上派だから。
「きゅうりは水を絶やしちゃ駄目なんですよー。お水たくさんどうぞー」
とか言いながら、きゅうりの苗に水をやるツキナさん。
知ってる?
きゅうりって、世界一栄養のない野菜らしいよ。
なんて、言ったらツキナさんが泣き出しかねないので、言わない。
だってツキナさんを泣かせたら、僕がすぐりさんに酷い目に遭わされるよ。
さすがに、二度も毒入りミンチになるのは御免だからな。
それで。
今日の「対価」を、ちゃんと収穫しておかないとな。
「一つ聞いて良いですか?」
「何ですか?」
「ツキナさんの、好きな男性のタイプは?」
ちなみに。
これらの質問は、僕が考えているのではない。
毎日、すぐりさんから「明日はこれこれこういうことを聞いてくれ」とリクエストが来る。
僕は、その通り聞いているに過ぎない。
つまり、何が言いたいのかというと。
下心の塊なのはすぐりさんであって、僕ではない。
「えー?うーん。そうだなぁ~」
じょうろを両手に、考えるツキナさん。
僕のみならず。
すぐりさんも、ピタリと動きを止めて、ツキナさんの返答に聞き耳を立てていた。
下心の塊で生きてるな、あの人。
「ううん、えぇ~っと…」
「難しいですか?」
「うーん、白馬に乗って迎えに来てくれる王子様が好きです!」
…すぐりさんが。
ガクンと地面に膝をついて、絶句していらっしゃった。
あらお気の毒。
残念ながら、これが彼女の本心みたいですよ。
「今時、白馬に乗って迎えに来てくれる王子様はいるんですかね?」
「えへへ。でもそんな人が好きです!」
「へぇ~」
あー、良かった。
リリスが、「白馬に乗った王子様が好き!」なんて言わなくて。
危うく、乗馬の練習から始めなきゃならないところだったよ。


