「な…ん…」
まさか。
自分が殺そうとしている相手に、そんなことを言われるとは思っていなかったらしく。
すぐりは、狼狽して、何も言えずにいた。
…俺達も、そうだった。
どうしてあげるのが正解だと言うのだろう。
子供の頃から、物心つかない頃から、生きるか死ぬかの人生を送り。
汚い大人達に洗脳され、人殺しだけを生業として生きてきて。
自分の生きる意味は何なのか、自分の生まれてきた意味は何なのか、絶えず考え続け。
考え続けて考え続けて、ようやく導き出した答えは、こんなにも破滅的なもので。
そんな憐れな二人の暗殺者に、俺達が何をして、何を言ってあげられるのだろう。
…そのときだった。
「…っ!!」
すぐりは、懐の小刀を、思いっきり令月の肩に突き刺した。
「令月!」
「…」
俺は思わず声をあげたが、令月はまるで動じなかった。
「…何で…君は…」
「…」
「何でそんなことを…。俺を、馬鹿にするようなことばかり…」
「…一緒にいよう。一緒に。僕達の気持ちが分かるのは、僕達だけなんだから」
「それが俺を馬鹿にしてるって言うんだよ!」
「…」
肩を刺されても、詰られても。
令月は、すぐりを抱き締めて離さなかった。
死ぬときは一緒だとばかりに。
「…馬鹿にしてるつもりはないよ」
「そんな…!」
「…ただ、一人じゃ寂しいと思うから。お互いに」
「…!」
「だから一緒にいよう。嫌い同士でも、一人ぼっちより良いでしょ?」
「…」
「…まぁ、僕は元々、『八千歳』を嫌いだと思ったことはないけど…」
すぐりが一方的に嫌ってただけで。
令月の方は、むしろすぐりと仲良くしようと努力してたもんな。
あれは、そういう意味で…。
「だから『八千歳』。一緒に…」
「…ふざけるな。ふざけるな…!俺は、君とは違って…!」
と、
すぐりが言いかけた、そのときだった。
「お邪魔しま~…す?」
「!?」
俺達は、失念していた。
放課後。
放課後の学院長室に、何も知らない一般の生徒が訪ねてくる可能性を。
「…えっ?」
床でペースト状になってるナジュと、肩に小刀突き刺された状態で壁ドンしてる令月とすぐりを見て。
訪ねてきた女子生徒は、ポカンとしていた。
当たり前だ。
「見てはいけません!」
イレースが、女子生徒の前に立ち塞がって、彼女の視界を遮った。
「えっ。えっ…。何やって…」
困惑する女子生徒。あの子、何処かで見覚えが。
「私、すぐり君を探しに…。罰掃除に来てないから…。クラスメイトに聞いたら、すぐり君が学院長室の方に行ってたって…。それで…」
成程、そんな理由で。
抜かった。今だけは、学院長室の扉を閉ざしておくべきだった。
まさかこんなことになるなんて、思ってなかったから…。
「…すぐり君、何してるの?」
すぐりを探しに来たという女子生徒は、戸惑った様子でそう尋ねた。
まさか。
自分が殺そうとしている相手に、そんなことを言われるとは思っていなかったらしく。
すぐりは、狼狽して、何も言えずにいた。
…俺達も、そうだった。
どうしてあげるのが正解だと言うのだろう。
子供の頃から、物心つかない頃から、生きるか死ぬかの人生を送り。
汚い大人達に洗脳され、人殺しだけを生業として生きてきて。
自分の生きる意味は何なのか、自分の生まれてきた意味は何なのか、絶えず考え続け。
考え続けて考え続けて、ようやく導き出した答えは、こんなにも破滅的なもので。
そんな憐れな二人の暗殺者に、俺達が何をして、何を言ってあげられるのだろう。
…そのときだった。
「…っ!!」
すぐりは、懐の小刀を、思いっきり令月の肩に突き刺した。
「令月!」
「…」
俺は思わず声をあげたが、令月はまるで動じなかった。
「…何で…君は…」
「…」
「何でそんなことを…。俺を、馬鹿にするようなことばかり…」
「…一緒にいよう。一緒に。僕達の気持ちが分かるのは、僕達だけなんだから」
「それが俺を馬鹿にしてるって言うんだよ!」
「…」
肩を刺されても、詰られても。
令月は、すぐりを抱き締めて離さなかった。
死ぬときは一緒だとばかりに。
「…馬鹿にしてるつもりはないよ」
「そんな…!」
「…ただ、一人じゃ寂しいと思うから。お互いに」
「…!」
「だから一緒にいよう。嫌い同士でも、一人ぼっちより良いでしょ?」
「…」
「…まぁ、僕は元々、『八千歳』を嫌いだと思ったことはないけど…」
すぐりが一方的に嫌ってただけで。
令月の方は、むしろすぐりと仲良くしようと努力してたもんな。
あれは、そういう意味で…。
「だから『八千歳』。一緒に…」
「…ふざけるな。ふざけるな…!俺は、君とは違って…!」
と、
すぐりが言いかけた、そのときだった。
「お邪魔しま~…す?」
「!?」
俺達は、失念していた。
放課後。
放課後の学院長室に、何も知らない一般の生徒が訪ねてくる可能性を。
「…えっ?」
床でペースト状になってるナジュと、肩に小刀突き刺された状態で壁ドンしてる令月とすぐりを見て。
訪ねてきた女子生徒は、ポカンとしていた。
当たり前だ。
「見てはいけません!」
イレースが、女子生徒の前に立ち塞がって、彼女の視界を遮った。
「えっ。えっ…。何やって…」
困惑する女子生徒。あの子、何処かで見覚えが。
「私、すぐり君を探しに…。罰掃除に来てないから…。クラスメイトに聞いたら、すぐり君が学院長室の方に行ってたって…。それで…」
成程、そんな理由で。
抜かった。今だけは、学院長室の扉を閉ざしておくべきだった。
まさかこんなことになるなんて、思ってなかったから…。
「…すぐり君、何してるの?」
すぐりを探しに来たという女子生徒は、戸惑った様子でそう尋ねた。


