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「だから、無理だって」




お昼休み。


お弁当を食べているわたしのとなりで、そう苛立ったように呟く牙城くん。

彼は、ただいま通話中だ。




お約束 第1か条、“朝倉百々の休み時間は牙城くんのもの”のとおり、牙城くんと屋上で過ごしている途中。


なんの前触れもなく、彼のスマホが音を出して震えたのがはじまり。



それなのに、そのコール音をまったくスルーしてわたしの髪をくるくるといじっていたから、びっくりして“出ないの?”って聞いたんだ。



そうしたら……、はああ、とため息をついて牙城くんは仕方がなさそうにスマホをタップした、んだけど。





なにやら、良くないことが起きたらしい。




通話の相手は、牙城くんの不良仲間さん。