「お邪魔します」


父さんと母さんと、やってきた純白ちゃん家。

玄関にやたら男性の靴が多く混雑していて、さっきとは違う賑やかさに、ちょっとおののいた。


「いらっしゃい、ちょっと賑やかなんだけどみんな来てて。上がって、久しぶりね龍」



綺麗なあげはママ。

あの写真の中のヒロインがまさに今目の前にいた。

ちっとも歳を取らないで、凄いなって感動した。

「あー、悪いな上がるよ。今日は賑やかだな」



親戚のおじさんみたいな挨拶の父さんに、ちょっと笑いそうになってしまった。


「龍が来るって聞いたから、あの時のまま。あの時のメンバーを呼んだからね。
まあ、その息子達だけどさ」



息子達ーー?




リビングに入ったら広いリビングに敷き詰められた様に、うじゃうじゃと見た事のない男達が数人いた。



いや、見た事のある人がひとりいた。



「あー、緑くんっ。なんで、ここに」



そうーー。

学校で助けてくれた好青年がいた。

確か、半澤 緑くん………。

半澤?



どっかで聞いた様なーー。


「おー、緑!! 今日黒は来てないのか?」



白おじさん。
純白ちゃんのお父さんーー。

顔だけ変わらない、おじさんには絶対見えない人達。

緑くんを知ってる人?
半澤ーー。



「あっ!半澤緑くんって」





そうだーー。



"俺は父さんみたいな刑事になるのが夢"……





そうだ、確か………写真の中に。



半澤白、純白ちゃんのお父さんの隣に笑って肩を組むちょっと雰囲気の違う彼。
手は手錠を持っている。


半澤黒……。




黒さんの息子ってことか。


「あー、緑は俺の兄貴の息子だよ。
その写真の隣でバカみたいに笑って手錠振り回してる奴が俺の兄貴だよ」



純白ちゃんのお父さん。

悪気はないんだろうーー。


みんな苦笑いしてるよ。