「ーー純白ちゃんを絶対に守るよ」


彼の瞳には強さがあった。

私は何が起きたのかわからず。


しゃがみこんだまま、立ち上がれなかった。

あ、大雅くん後ろーー。

大雅くんの背中腰に、木刀を掴む男が視界に入った。


だめーー!!
近づくのに彼は私のことばかりで気づいて居ない。

声を出したいーー。

だけどーー






"お前のせいで
俺こんなんなってんだけど、好きになんかならなきゃよかった"




暗闇。


襲いかかる男。

責められたあの日。


私はーー強くなるって決めた。

誰かに守られてばかりのお姫様は嫌い。

誰かに助けられてばかりのお姫様は嫌い。


だってーー最後には失う。



フラッシュバックして、周りが歪んで見えた。





「純白ちゃん、大丈夫だよ」





木刀が大雅くん目掛けて振り下ろされた。

大雅くんはそれをかわすと同時に私を抱き抱えた。



カキーンーー!!




それと同時に彼のメガネは、弾かれて地面に当たって粉々に。


彼が私を見たーー。



彼の瞳は、澄んでいて綺麗だった。




ふにゃ、とした弱々しい彼の表情ではない。
彼の瞳は、強かったーー。




「大雅くん、メガネっ」


彼の目はほんとに見えないのか。

いや、彼はちゃんと見えているーー。



澄んだ瞳は、私を捉えて離さない。


胸がギュッと捕まれて苦しくなった。


「ーー俺は、何があっても
逃げないし、純白ちゃんを守るよ」




彼は、向かってくる敵の木刀を足で蹴り落とした。




私を抱き抱えたまま、彼のスマートな足蹴りは敵の木刀を蹴り落とした。
それと同時に、敵の腹部に足蹴りを食らわせ、フラフラだった男は
地面に倒れた。






しーーん、と静まり返った路上。




頭がついて行かない、だけど彼は確かに数名の敵を拳だけで倒した。