「ありがとう、大雅くん。」


私は、いつだって強くありたい。

いつだって気高くいきたい。


あの頃、ママが最強の暴走族の姫だったと聞かされた時は、私の知らない世界が広がっていたーー、が第一印象。


パパは、副総長で。

総長であるパパの友達は、いかついおじさま。

迫力のある目力。

第一印象はーー、近所迷惑のド短気おじさまが、印象深いと。


何しろ、息子を殴ろうとしていたんだからーー。


そして、1番びっくりしたのは
隣の彼。




今まさに私の手を握って暗闇の中を、歩いている臆病な男の子。


この人が龍神の1人息子だと、言うんだからなんだか拍子抜け。


「大雅くんは強くなりたくないの?
その、お父さんみたいにさっ」




ちら、っと見たら大雅くんの瞳は見開き、両手を顔の前で数回振った。

ナイナイ、と。


でしょうね。。
なんて、言わないけど。


とにかく、何もかもびっくりした。


近所に引っ越してきた一家。

まさかの龍神と、かけ離れた青年。