振り向けないーー。

キラキラな世界なんて、探しても見当たらない。
二限までの間。
職員室に事情を話した俺。
具合悪くてって誤魔化した。

嘘はバレることは無かった。



きっとそれはーーーー





優等生な俺の見た目だろう。


黒くだらしく伸ばし過ぎた髪。
垂れ下がった前髪。
隠すためにしたメガネ。

俺の嫌いな目を隠すために…………。

気崩れのない制服。
シワ1つない制服からは、ジャスミンの香りしかしない。


出来上がった優等生は

決して崩したりしない。


だれもいないトイレの鏡と、睨みっ子。

「やっぱりダサいよな」



鏡の中の自分は
キラキラしていない。

今どきいるのか、地味な奴。
地味に過ごした代わり映えのない3年間が。

最後の年がようやく始まる。