「半澤緑(ハンザワリョク)。
ゆくゆくは刑事になるからよろしく!!」


手錠をクルクル回して、にこやかに笑って見せた。

笑ってはいるけど、先程見せた黒さが頭から抜けない。

裏をかいてる訳では無いけど、警戒してしまう。
久しぶりの学校。
久しぶりの生活。

出だしが悪かったーーーー。

久しぶりに出てきた俺を歓迎してくれたのは、学校では先生だけ。

成績は悪く無かったから、先生からは期待しか無かった。

だけどいつか、やっかみが降り注ぐ。
そんな気がするーーーー。


またいつかーーーーーー。



「あ、俺は芹山大雅で」


まあ、知っているに違いない。
誰かに頼まれたらしいしーー。

「うんうん、芹山龍さんの息子ね。
意外だったけど」

うん、芹山龍と聞けば大概ーービビられるか、ケンカ売られて終わりだ。

俺は父さんとは違うーー。
父さんが、強くても
最強でも、
俺は違うーー。

弱いし、暗いし、友人だっていない。

思わずキラキラした世界を想像して、落ち込む俺。

キンコーンカーンコーン。


一限を終わるチャイムが、鳴った。


「あ、じゃあ俺行くんで」

俺が背中を見せた時ーー






「俺がキラキラにしてやるからな」



彼がそう言ったーーーー。