校庭を抜けて、極度な緊張感が増すのがわかった。

だってーー周りが人、人、人。

一定な距離感を保ちながら、視線は彼らに向けられていた。


傍にいる俺にも、異質な者を見るような目で見られ、生きた心地がしない。

早くも帰りたい気持ちになりながら、校舎に入って行かなくては行けない不安な気持ち。

足は校庭に向かっていた。


帰りたいーー。




「テメーら、コイツ俺の息子だからな。あと1年を学校で過ごす!!
仲良くしなかったら、分かるよな?」



こう言ったらなんだけどーー
お父様。

脅しではーー。


たださえ、見た目は不良がまだ抜けてないんだから。
俺の肩を強引に抱く父さんにちょっと引き気味な俺。

だから、大人しく過ごしてた。


俺は父さんとは違うーー。

「ーーまあそう言うわけだから、仲良くしてな。
あと1年頑張ってもらいたいだけなんだ。
ずっと日陰の上で居て欲しい訳じゃないんだよ」



ーー父さん。