その言葉を聞いた凛ちゃんは、「わぁ~っ!」と大きな声を出してわたしの頬を両手で包む。


「茉白かわいいっ!あたしは茉白を応援するし、なんでも相談に乗るからね!頑張って!」


にこにこ笑顔の凛ちゃん。
わたしは「ありがとう」と返す。


応援してくれるし、相談にも乗ってくれるなんて……優しすぎる。
な、なにかあったら相談してみようかな?


「ほらほら、行ってきな!とにかく押して押して押しまくるんだ!」


ぽんっと背中を押される。

押して押して押しまくれるかはわからないけど……。


「うん、行ってくる」


こくんとうなずいて、鞄を持ってすぐに教室を出た。


廊下にはまだ碧の姿はない。

いつも碧からわたしの教室に迎えに来てくれるから、今日はわたしから迎えに行こう。
迎えに行くといっても、すぐ隣の教室だけど。


ちらりと教室内を覗く。
ほかのクラスの教室を覗くのはちょっぴり緊張。


碧の席は……確か、窓際の1番後ろの席って言ってたような。


そこの席へと目を向けると。


目に入ったのは、碧と……メガネをかけたおさげの女の子。
女の子の手には、黒い折りたたみ傘。それを差し出していて、なにか話している様子。