“隣のクラスのイケメン”というのは絶対、碧のことだ。
わたしが一緒にいるのは彼だから。

っていうかなんだ……か、彼氏って!


「あ、碧は彼氏じゃないよっ!?」


慌てて言うけれど。


「ふむふむ、アオイくんっていうのかぁ~。名前で呼ぶほど仲良しなんだねぇ~」


凛ちゃんはにやにやしたまま。
絶対まだ誤解してる。


「凛ちゃん!あのね、本当にちがうの!碧とは幼なじみなの!5歳の頃から一緒にいる幼なじみ!」
「そうなの?でも、どっちかが片想いしてるとかは?」


「っ!!」


そう聞かれて、咄嗟に『そんなのないよ』とは答えられなかった。
わたしは現在、碧に片想いしているから。


「おぉっ?これはこれはもしかして?茉白は……その幼なじみくんが好きなんだ?」


なにも言えないでいたら言い当てられて、熱くなっていく顔。

下を向けば凛ちゃんはわたしの顔を覗き込んできて。
逃げられないと思ったわたしは、「わたしの片想いなの」と小さく声を出した。