ヤクザの世界は男性ばかりで、お母さんが亡くなってから、家に女性はわたしだけ。 だから友だちがいないわたしの話し相手は、常に鷹樹組の組員。お父さんや碧、翔琉さん……と、見事に全員男性。 同性の子と笑いあったり、ガールズトークしたりするのが、いつからかわたしの夢になっていったんだ。 これは、どうしても諦めきれない夢。 碧とでは、残念ながら叶わない夢。 「あとで頑張ってだれかに自分から話しかけてみる」 心に決めて、わたしはお弁当を食べる手を進めた。