休憩に入ったから、次々に昇降口から校舎内へと入っていく人たち。
わたしが昇降口へと行った瞬間に、すぐにたくさんの人たちの視線がわたしに向けられた。
……さっき、目立ったからだろう。
恥ずかしさに耐えながら健くんを待てば、数分後に見えた彼の姿。
「健くん……!」
健くんの元へと駆け寄れば、すぐに気づいてくれて。
「目立つから、あっちで話そうか」
健くんは優しく笑うと、外を指さした。
こくりとうなずいて、靴を履き替えて外へ。
校庭にも人がまだいっぱいいて、健くんはそこを避けるようにとちがう方向へと向かう。
そのうしろをついて行くと、到着したのは……体育館裏。
そこは日陰で、人はだれもいなかった。
……言わなくちゃ。
期待させられるのが辛いことは、わたしもちゃんとわかってるから……。
「あのね、健くん」
わたしは緊張しながらも口を開く。
「健くんからの告白はすごく嬉しかった。わたしなんかのことを好きになってくれて、人生ではじめて告白されて……本当に嬉しかったよ。
でも、健くんの気持ちに答えることはできない。本当にごめんなさい」
言い終わったあとに、ぺこりと頭を下げた。