わたしは碧が好きで……碧も、わたしが好き。
その“好き”は、幼なじみとしての好きじゃなくて……恋愛としての、好き。


つまり、わたしと碧は同じ気持ちで、両想い。
本当の本当に……両想い。




碧の言葉にこくんと頷けば、彼はわたしを強く抱きしめた。




……夢みたい。
一度は振られたと思ったのに、もうだめだと思ったのに……。


夢みたいで、まだ信じられないよ……。
って!本当に夢だったらどうしよう!?



わたしは慌てて、抱きしめられながら自分の頬をつねった。


……大丈夫。
ちゃんと、痛みを感じる。
痛いから、夢じゃない。

夢じゃないんだ……!




「……碧」


わたしは、碧の背中に手をまわそうとしたが、彼の胸を押した。
押したのは、いったん離れてほしかったから。


「ごめん。すげぇ嬉しくて、つい……」




碧はすぐに体を離してくれて。

わたしは、そんな碧に顔を近づけて──唇にキスをひとつ。