お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



「碧、里古さんの告白……なんて答えたの?」


恐る恐る聞いてみる。


「……見てたのかよ?」
「たまたま、本当にたまたま見ちゃって……」


碧はなんて答えるのか、聞くのが怖い。
でも、ちゃんと聞かないと……。


緊張しながら次の言葉を待っていれば、




「好きな女がいる、って断った」


すぐに彼は答えてくれた。



……断った?
……付き合って、ない?


それを聞いて、心の中には安心感が広がっていく。


付き合っていないということは、碧の“好きな女”というのは本当に……──。









「つーか、おまえこそどうなんだよ。あのクソ猿に告白されて……付き合うつもりなの?」


碧はわたしの涙を袖で拭いながら聞いてくる。

急に聞かれるものだから、心臓に悪い。


「えっ、いや、あの……」


健くんの告白に返事はしていない。
一瞬ではあるけど、心は揺れたけど……わたしは、やっぱり……。


「おまえが好きな男はだれだか、おまえの気持ち俺にちゃんと教えて」


碧は、わたしに顔を近づけて、至近距離でピタリととまる。