お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



思わず自分の耳を疑ってしまうような言葉。


……恋愛として、好き?
……幼なじみとしてじゃなくて?





「……う、うそだ」


ぽつり、と声が漏れる。


「ほんとだって」
「だったらなんで、家族としてわたしのこと大切、なんてお父さんに言ったの……。嘘言わなくていいよ、わたしは大丈夫だから……」


「組長との会話、おまえは1部しか聞いてねぇんだよ。その話はまだ続きがあって……。
って、どうせ話聞くなら最後まで聞けよ、アホ」
「な……っ!」


おでこに軽くデコピンをされるわたし。
……ぜんぜん痛くない、けど。


あの話に続きがあるって……?
碧、わたしのこと幼なじみとしての好きじゃないの……?


本当の本当に、わたしの好きと同じ?
そんな、夢みたいなこと……。
















心臓が大きく鳴って、壊れそう。


でも、すぐに頭の中に思い浮かんだのは……里古さんの顔で。


碧が告白をされているところを思い出せば、胸が痛んで一気に現実に戻される。


……だめ。
1人で期待して、舞い上がるのはだめ。
碧には、もしかしたら彼女がいるかもしれないんだから。