お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。




顔を横にぶんぶん振って、また喜びそうな気持ちを振り払う。
そんなことをしていると。




「茉白!!」


凛ちゃんに肩を強めに叩かれた。


なにかと思えば、なんで呼ばれたのかすぐに理解。



凛ちゃんは、こっちに走って近づいてきている人物がいるから……教えてくれたんだ。



ゴールしたすぐあとなのに、こっちにすごい速さで走ってきているのは、碧で。


彼はわたしの前まで来ると、ここでなにを言うでもなく、強く手をつかんで……走り出す。








強く手を引かれるから、つられるように動く足。


あ、碧……!?


彼はわたしの手を離さず、校舎へと向かっていく。


いったい、これからなにが!?


疑問に思ったが、もしかしたら……とすぐに思ったこと。




碧が1位でゴールをしてわたしのところに来たということは……約束のことなんじゃないか。

約束どおり、キスしてもらいに来たのではないか。