碧に告白しているのは、里古さん。


教室に飲み物を取りに行こうと校舎に入ろうとして、昇降口へと行けば……偶然、見てしまった。




やっぱり……里古さんは、碧が好きだったんだ。
だから、碧にこうして告白したんだ……。


声が聞こえてきて、わたしは教室に入らずにこの場から逃げた。




碧がなんて返すのか、すごく気になる。
けど、同時に……すごく怖い。


碧と里古さんは、仲良く話しているところを見るから、碧が告白を受けてしまうかもしれない。

碧は、もしかしたら里古さんと同じ気持ちなのかもしれない……。



2人がもし、付き合うなんてことになったら、碧の隣は里古さんのものということになる。
わたしは、碧の隣にいることはできなくなるんだ。



……そんなの、やだ。
やだよ。
フラれたけど、碧の隣は譲りたくないよ……。




そんなことを思っても、2人が付き合えばわたしがなんと言おうと碧の隣は里古さんのものになる。

想像するだけでも怖くて、泣きそうで……とにかく全速力で走った。