お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



「うん、ぜんぜん大丈夫~」
「頑張ろうね!」


必死に会話を続けようとしていれば、健くんは前へと視線を向けて。
碧を視界に入れると、わたしの肩に手をまわし強く引き寄せた。


「ちょっ、あの、健くん……!?」


急になにするんだ……!
まだ競技ははじまってないのに……!


「俺たちの愛の力を合わせて頑張ろうね、茉白ちゃん。俺たちなら1位になれるよ」


近い距離でにこりと笑う彼。

そんなことを話していれば、「ほら、2人とも並んでー」と先生に言われてしまい……。


しっかり整列すると、前にやっていた種目が終わった。





いよいよ、二人三脚がはじまる。


……頑張ろう。
今だけ、碧のことは忘れて集中しなくちゃ。
クラスのみんなに迷惑をかけないように、しっかやらなくちゃ。


わたしは自分の頬を軽く叩いてから、入場した。