こういう時、自分に告白してくれた人に頼るのはちがう気がする。
それはわかっているけど……今だれかに話さないと心が壊れてしまうような気がした。
10年間という、長かった初恋。
その恋が終わってしまい、心には穴が空いたような感じで……とにかく胸が痛い。
「健くんっ……、わたし、フラれちゃった……」
嗚咽混じりに声を出せば、「えっ、碧くんに?」と驚かれる。
「……うん」
「ほんとに?」
「……うん」
「碧くんに直接言ったの?」
「碧は、わたしのこのと家族のように大切なんだって……お父さんと話してるとこ、たまたま聞いちゃったの……」
「それ、もう1回ちゃんと……──って、なんで俺が碧くんに協力しなくちゃいけないんだか。俺が茉白ちゃんに近づくチャンスなのに」
途中から、ひとりごとのようにぶつぶつとつぶやく健くん。
よく聞き取れない。
「もう、気が済むまで思いっきり泣いていいよ」
背中をさすってくれるから、わたしは本当に思いっきり泣いた。
どんなに悲しい気持ちでも、聞こえてくるチャイムの音。
気持ちを入れ替えようとしたが、しばらくは無理そうだった。



