「俺の気持ちとお嬢の気持ちは……きっと、ちがいますね」
彼は確認するようにわたしの目を見てくるから、確信に変わる。
碧は、いつからだかわからないけど……わたしのこの気持ちに気づいていたんだ。
碧は、わたしが碧を好きだと気持ちがわかったうえで今まで接してきてくれていたんだ。
……今まで、わたしのこの気持ちでどれだけ彼に迷惑をかけてきたんだろう。
碧はわたしのことを好きじゃないから、すごく迷惑をかけてきたんだろうな……。
好きでもない相手からの好意なんて、めんどくさいだけだよね……。
わたしは、小さくうなずく。
「……困らせてすみません。ぜんぶ忘れてください」
碧は最後にそう言うと、うしろを向いて早足で行ってしまう。
遠くなっていくうしろ姿。
彼は自分の教室のほうへと足を進めて、わたしは……そのうしろ姿を見送った。



