お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



健くんに、自分の気持ちを伝えないと。
ちゃんと……。


「あ、あのね、健くんにはちゃんと──」


声を出している、途中で。






「おはよ、茉白ちゃん、凛ちゃん」


ちょうど健くんが登校してきて、「ぴゃっ」と変な声が漏れた。

びっくりして跳ね上がる心臓。


「朝から可愛いね、茉白ちゃん。なんかの小動物みたい」


わたしを見て、ケラケラと笑う健くん。


……バカにされてる?
というか、なんか……普通に接してきてる?


「茉白ちゃん、少しあっちで話さない?」


彼が指さしたのは、廊下。

あっちで話さないって、それは、2人でってこと、だよね?
その、話す内容は……昨日の、告白のこと?


ちゃんと言わないと、って思ったけど緊張してくる。



「ごめんね、凛ちゃん。茉白ちゃん借りてもいい?」
「あたしの茉白だけど、仕方ないから貸してあげるよ」


わたしが返事をする前に、健くんは凛ちゃんから許可をもらって。
健くんに手を引かれて、わたしは廊下へと連れていかれた。