お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



って!!碧、今“お嬢”って言った!?
しかも、裏の顔出てきちゃってるよ……!!


里古さんは、碧の隣でなんだか驚いた表情。

……これは、いろいろとやばい!!




「ごめんね、健くん!」


わたしはまず体勢を整えて、次に碧のほうを見た。


「碧も、わたしなら大丈夫だよ……!それより碧、口悪くなってるよ!最近、極道のドラマが好きなんだよね?もしかしてその影響?」


あはは、と笑いながら必死に言うわたし。


これは厳しいか……と思ったが、里古さんは「小鳥遊くん、極道好きなんですか!?」とすごく食いついてきた。


「実はわたし、すっごく極道が大好きで!極道ものの小説をよく読んでるんですっ!
現実で極道は怖いイメージで、最初は小説も少し抵抗があったんですけど、読んでみたら本当におもしろくて!熱い人たちの話で、すぐに虜になりました!
最近では、若頭が主人公の小説を読んでいるんですが──」


長々と続く里古さんの話。
すごく興奮したように話している。


……なんとか、誤魔化せたっぽい?
なんか……よかった。




「──すみません!わたしったら、つい興奮してしまって……!」


我に返って、ぺこぺこと頭を下げて謝る彼女。