お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



そう思ったわたしは、口を開いた。



「その件は本当にごめんね……。実は、碧とは5歳の時から一緒に住んでて……あの電話してた時、たまたまわたしの部屋に碧が来たの」


小さめの声で、健くんにだけ聞こえるように言う。
そうすれば、健くんは。


「……そう、なんだ」


少し低い声で返す。
もっと軽く返されたり、からかわれるかと思ったから、予想外の反応。


「電話の件も、遊べなかった件も、本当にごめんね」


もう一度ちゃんと謝れば、


「……やだ。許さない」


健くんはぷいっとそっぽを向いてしまう。


怒ってる!?
そりゃあ怒るよね……。電話途中で切っちゃうし、せっかく誘ってくれたのに台無しにしちゃうし……。



「本当に、本当にごめんね!」
「茉白ちゃんは俺のこと大切じゃないんだ」


「大切だよ!?」
「……じゃあどれくらい大切か言ってみて?」


どれくらい大切か!?
なんか、難しい質問……!