お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



「そのワンピース、やっぱり似合いますね」


にこにこしている彼。
碧が言う“そのワンピース”というのは、以前誕生日プレゼントとして買ってもらったワンピース。


グレーチェックの半袖のワンピースで、白い襟、リボンがついているもの。


これは碧がいる時に着るって決めていたから、今日はじめて着たんだ。


……褒めてもらえて嬉しい。
やっぱりこのワンピース、可愛いなぁ。


「プレゼントありがとね、碧。わたしも碧の誕生日になにかお返しする!」


碧の誕生日は1月でまだまだ先だけど。
こんなに素敵なものをもらったからには、倍にしてなにかお返ししなきゃ。


「俺はいつもお嬢からもらってばかりですよ」
「……え?」


聞こえてくる声に、首を傾げた。

……わたし、なにもお返ししてないよね?
いつもはなにかあげたりしてないよ?


「いつも幸せをもらってます。お嬢の笑顔は俺の癒しですよ」


碧がそう言った瞬間、持っていた火花が消えた。


あっという間に1本終わってしまったみたいだ。
ほとんど見てなかった……。