お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。







碧は、なにごともなかったかのように普通に接してくる。
数時間前、わたしにキスしようとしたのに……。


どんなに気になっても、あのことを聞くタイミンがわからなくて、わたしも一生懸命ふつうに接した。


お昼はハンバーガー屋さん、夕飯はファミレスで食べて。
街を歩いて20時になればいったん家に帰って、手持ち花火とバケツを持って、近所の公園へ。


2人きりの公園。
公園にある街灯と月明かりがわたしたちを照らしてる。


そんな中花火の準備をして、手に花火を持てば彼はライターで火をつけてくれた。



花火の先から、勢いよく出る火花。
花火はとても綺麗。


毎年、花火大会の花火を見に行っていたから、手持ち花火なんてすごく久しぶり。
いつぶりだろうか。


小さい頃は、よく家の庭で手持ち花火をしていたな……。
それももう8~10年前のことか。


時が経つのは早い。


「綺麗だね」


花火を見ながら碧に言えば、彼は「可愛いです」と返す。


可愛い?
花火が?


碧の顔を見れば、彼と目が合う。
どう見ても、彼が見ているのは花火ではなく……わたし。


「……っ」


そういうことを普通に言われると、反応に困る。
碧のことだから、わたしの反応を見て楽しんでるんだろうな。