お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



ちなみに、このプールを用意したのは碧ではない。
これは碧が、うちの組員に用意させたもの。


こんなことに組員を使うなんて……碧は鬼か。






いろいろと思っても、ドキドキがとまらない。
碧は簡単にわたしをドキドキさせてばかりでずるいよ……。


わたしだって、ドキドキさせたいのに。





「碧、立って」


わたしは立ち上がって、碧と向き合う。


「今度はなんですか?」


彼はすぐに立ち上がってくれて。


「うしろになにか落ちてるよ」
「うしろですか?」


指をさせば、うしろをむいてくれる。
もちろん、これは嘘。


碧がうしろを向いた時、わたしは彼の腕とTシャツをつかんで、全力で引っ張った。