お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



さっきした、碧に1日独占される……って約束。
碧のこと以外を考えないようにするのって、なかなか難しい。


家にいれば、やっぱり普通に翔琉さんや組員、お父さんと会うわけで。
話すのもだめって言われるのは、難しすぎる。




「ちゃんと返事してください。返事をしない悪い子にはこうしちゃいますよ」


彼の言葉になんの反応もしなければ、碧は浮き輪をまわし……わたしが彼に背中を向けた状態になると。

なんと、彼は首元に吸い付いてきた。




「ひゃっ」


びっくりして、思わず変な声が漏れる。


な、なになに!?
こんな、家の庭でなにして……!?


「あ、碧……っ」


彼の名前を呼べば、口元を手で軽くおさえられた。

……吸い付くのは、やめてもらえない。


「……っ!」


大きな声を出せば、家にいる組員やお父さんに見られるかもしれない。
だから必死に声を我慢して……数秒後、ほんの少しの痛みを感じたあとに、彼はわたしから離れた。